- bassに関する話題 -

bassistのためのコーナーです。bassistでない人にはつまらないかも。

* 以下は、あくまで僕の個人的な意見です。

僕の使用楽器
影響うけた、もしくは好きなbassist


僕の使用楽器に関して Anton Simon 1988

Pollmann Cremona 2001

 Simonはかれこれ10年ちょっと使用している楽器で、3/4サイズですが、さらに小ぶりな感じです。とても弾きやすく、今まで僕が弾いている時に飛び入りした人で、この楽器に手こずっていた人を見たことがありません(みんながあまりにスラスラ弾きこなすので、ちょっとくやしい)。現在は主にツアーで使用しています。飛行機移動の時にハードケースに入れなきゃならないのですが、Pollmannだと入らないケースもあるので。(2004)

 上を書いた当時は弾き易い楽器だったのですが、ここ数年とても弾きづらくなり、ツアーではいつもストレスが溜まる状態が続いていました。長年の使用にわたり指板を削って均してきたので、指板のカーヴがキツくなり過ぎ、更に、厚みが薄くなったことで、ネックが反って来ていたようでした。一度ネックを矯正してもらったのですが、やはり根本的な問題解決にはならず、結局、思い切って指板を新しい厚手のものに交換してもらいました。費用はかかりましたが、弾き易くなり、ネックの厚みが増したことで、握った時のPollmannとのギャップも少なくなりました。ネックがしっかりしたおかげで、音も以前よりはっきりした感じがします。ずいぶんとツアー中の楽器によるストレスが減りました。直してもらって良かった。(2009)

 以前より弾き易くはなったのですが、どうも全くストレスなく弾けるという状態でも無いようです。まだ指板のカーヴが少々キツいようです。なんだか弦のテンションがキツい感じもしてます。そこで、試しに根柱を動かして立て直してもらいました。根柱の調整なんて実に10年ぶりくらいだったかな。音の感じはちょっと変わり、前より重量感は減りましたが、少し抜けが良くなった気がします。こんなことなら、もっと早く調整してみれば良かったと思いましたね。(2010)

 どうもまだ弦のテンション感がきついのと、音抜けが悪い感じがするので、またいろいろとやってみました。根柱の位置を少し動かし、テールガット(実際は金属のワイヤーですが)も太すぎるんじゃないか、ということなので、少し細いものに交換。テールピースの裏も少し削って、軽量化を図りました。テンションは変わらないけど、音抜けが少しは良くなったかも。でもまだまだ満足いきませんな〜。(2011)

 Pollmannは今現在メインの楽器として使用しているものです。これは4/4サイズ(らしい)でSimonに比べてかなり大きく、弾くのが大変です(持ち運びも!)。音はSimonに比べて大きくて、深い感じ。弓で弾くと、いかにも弦楽器らしい音がして、とても気に入っています。おまけに、見た目も美しい。これで弾き易かったら最高なんですけど....。なかなかいうことをきいてくれません。最近あるサイトでRon Carterが楽器を選ぶポイントとして、「サイズの大きい楽器を買ってはいけない。」と言っていました。え?あんなデカイ人でも、こう言うってことは.....。 ま、がんばるしかないでしょう。

 その後Pollmannにも大部慣れて、サイズの大きさはほとんど気にならなくなりました。ただ、弦のテンションはSimonに比べ、少しきついみたいです。半年以上経ってもまだ右手がつらいです。右手の弾き方を変えてみたりしています。(5/3,2005)

 さすがに今では最も弾き易い楽器となっています。弦高も以前より下げています。(2009)

 ここ2、3ヶ月ずっと弓で練習していて、特にD線の高音部を弾いてみたところ、突然楽器の鳴り具合が変わりました。以前に比べずいぶん鳴るようになった気がします。(2012 4月)

 2014年6月、Pollmannの指板がだいぶ削れてデコボコになってしまったので、平にならしてもらった。ついでに根柱を作り替えた方が良いのでは、と楽器屋さんに言われて、その必要があったらやってくださいとお願いしておいた。しかし、その後,音と弾いたときの感触がだいぶ変わってしまい、何度も根柱の位置を調整してもらうことになってしまった。以前の音が気に入っていたので、調整後の音にどうも違和感があり、なかなか慣れる事ができない。あちこちと根柱の位置を動かして試したが、結局、以前までの音と感触はあきらめ、新しいセッティングでの音と感触に慣れて行くことにした。根柱のセッティングがずいぶんと微妙で、難しいものなのだな、と改めて思いました。

 全くの個人的な考えですが、僕はいわゆるオールドの楽器は使おうと思いません。音は確かに良いのですが、面倒くさがりの僕としては、まずメインテナンスが大変なのは嫌なのです。オールド=メンテが大変というわけでも無いでしょうが、その可能性は高いでしょう。しょっちゅう移動しなくてはならないので、ある程度丈夫であることが僕にとっては大切です。実用性重視です。それと、新しい楽器を自分で育てる(?)のもどうやら好きなようです。Simonも10年かかって随分と良くなりました。自分と一緒に成長してきたみたいで、なんか嬉しいものです。ま、音楽とはあまり関係の無いことですが。

 はトーマスティックのスピロコアを使っています。しばらくオブリガートを使っていたのですが、どうも耐久性にいまひとつ問題があるようで、表面に巻いてあるスティールの部分が緩くなったりします。弓でも使いやすいし、音も気に入っていたのですが。で、昔使っていたスピロコアに戻してみました。いつもながら、新しいうちはビャンビャンいう感じで、弓も乗りにくい。でもとりあえず一番安いし(最近値上がりしてました。ショック!)。弦も結構高いので、なかなか新しいもの(自分にとってですが)が試せませんねぇ。以前、大坂&原クインテットをやっていたころは、ガット弦を張っていました。プレーンガット、ナイロンガットと試してみましたが、個人的にはナイロンガットの方が使いやすくて好きでした。いろいろと試しましたが、安いという理由で、ラヴェラのナイロンガットをしばらく使ってました。カプランのものが一番好きでしたが、結構高かったので。ガット弦は音は良いのですが、扱いずらいし、高いし、ということで、今ではスピロコアで、まあ、とりあえずいいかなって感じです。

 ピックアップはリアリストを使っています。駒の下に挟むというのがちょっと気に入りませんが、音的にはまあまあ使いやすいと思います。小さなジャズクラブで演奏する場合などは、生の音とよく混ざりやすいです。ただ、割と中低音域が強く、シャープな音が出ないので、アンプの音を大きく出さないとならないシチュエーションでは、モコモコとぼやけがちです。
 ピックアップに関しては、楽器との相性や、アンプとの相性、そして使う人がどういう音を求めているかで、選択がそれぞれ分かれるところだと思います。僕自身は、アンダーウッドとリアリストと、あとはクリップで付けるタイプのマイクしか試したことがありません。音質はマイクでとるのが一番ですが、他の楽器の音のかぶりや、ハウリングなどいろいろと難しい問題があります。アンダーウッドは少し電気的な音色になりがちで、アコースティック感があまりありませんでした。結局今はリアリストに落ち着いていますが、これも問題が無いわけではありません。音質、使い勝手、値段、その他いろいろな点で満足いくピックアップはなかなか無いですね。

 アンプに関しても、ピックアップと同様に、楽器との相性や、ピックアップとの相性、鳴らす部屋の音響、使用する人の好みがそれぞれありますから、これがベストだというものは無いでしょう。僕の場合は、ほとんど出演するお店に置いてあるものを使わせてもらってます。自分のアンプはもちろん持っていますが、店にアンプが無い時のみ使っています。僕の持っているのは、GKの200MBというものです。小さいので持ち運びが楽です。音も、割と自然な音がすると僕は思うのですが、不自然で嫌いだという人にも会ったことがあるので、なんとも言えません。僕は使いやすいと思います。ただ、あまり大きな音は出せません。ある音量を超えるとアンプが振動してノイズが出てしまいます。僕の場合は楽器の生の音を補助するためにアンプを使いたいので、基本的には楽器の生音よりかなり小さくレベルをセットします。大きな会場では、そういうわけにもいきませんが。普段あまり大きい音でアンプを鳴らさないので、アンプの種類にはそれ程こだわっていません。しかしながら、それぞれのアンプによってかなり音が違うのは事実です。あえて言えば、GK、ハートキーなどが使いやすかったかなぁ。あくまで僕の個人的な感想ですが。

 理想的にはアンプなど使わずに、生音で演奏したいものです。しかし現実的になかなかそうもいきません。ただ、アンプを使えるからといって、エレクトリックベースを使う音楽(例えば大半のロックやポップス)でのベースの音量バランスをアコースティックなジャズにそのまま持ち込むのには、無理があります。コントラバスの美しい音をピックアップで拾ってアンプで出すのはまず不可能です。アンプから出ている音は、エレクトリックベースのような音になってしまいます。それではコントラバスを使っている意味がありません。おまけに、電気的に増幅した音は意外とはっきり聴こえません。むしろ聴こえずらくなってしまうことが多いです。アンプはできるだけ生音を補助する程度に使いたいものです。そもそもアコースティックなベースはそんなに大きな音がする楽器ではありませんし、低音ですからバンド全体のサウンドのなかでは埋もれがちです。しかし、(他の楽器との兼ね合いもありますが)アンプでそれ程増幅しなくても、結構聴こえるものです。何をもって「聴こえる」とするのかで、また意見が分かれるところでしょうが。ベースが必要以上に大きくなると、他の楽器の音量も更に大きくなり、全体の音量が上がって結果的にすごく演奏しずらくなったりします。だいたいジャズという音楽自体、基本的には大音量の音楽ではないでしょう。別に小さい音で演奏するのが良いと言っている訳ではありませんが、演奏者全員が生音で演奏できるようにバランスを取り合うというのが一応基本だと思います。そして、足りないところをアンプなりPAなりで補うのが良いと思うのです。大音量の音楽に慣れきってしまっている人達(かなり多いと思います)は、それでは物足りないと感じてしまうようですが。
 ま、とにかく、ベースの音量って難しいですね。

 (以下2023年加筆) 以前は、コントラバスの生音にある程度こだわっていた、と言うか、生の音を大切に演奏したい、という気持ちが強かったですが、ふと気付くと今ではそういった感じはだいぶ変化して来ました。もうここ10年くらい、いや、もしかしたらもっと前から、ベースの生音に対するこだわりが薄れて来たような気がします。もちろん生音が一番良いのは変わらないのですが、アンプで出す音に対する嫌悪感が減った気はします。アンプやピックアップの性能が良くなったこともあると思いますが、やはり、アンプで増幅された音に対する抵抗が減少しましたね。これには諦めもかなり含まれています。アンプで音を増幅しなくてはならないことの方が、圧倒的に多いんですよね。良い音を出したいのは変わりませんが、音量的に無理な場合、妥協が必要です。ロンカーターやサムジョーンズのアンプサウンドの演奏をたくさん聴いてそういう音に慣れたというのもあるでしょう。彼らはどんな音でも素晴らしいんです。音が良いことに越した事はありませんが、それよりも、内容が聴けるようになったという事でしょうかね。

数年前に引っ越した先で近隣から練習時の音に対する苦情が来てしまい、家ではコントラバスを使った練習ができなくなってしまいました。そこで、仕方なくヤマハのサイレントベース を買い、それでなんとか工夫しながら練習をしています。それなりにストレスが溜まりますが、もう仕方ないし、だいぶ慣れました。最近グレードアップしたサイレントベース が発売されたので、ちょっと無理して買い替えました。どうせこの先ずっとこれで練習するしかないのだし、できれば本番にも使えるのではないか、と。実際、サイレントベース で仕事をする機会も増えて来ました。車での移動と駐車場のコストを考えると、電車移動した方がずっとコストを抑えられ、それには持ち運びが便利なサイレントベース が良いのです。店にアンプが有れば、ですけどね。アンプで音を出すことを前提に作られている楽器ですから、コントラバスをアンプに繋いで音を出すより音質も調節しやすく、音量もコントロールしやすい。演奏し易さという点では、コントラバスに劣りますが、かなり使える楽器ですね。これからの楽器として可能性を感じます。


影響うけた、もしくは好きなbassistに関して いっぱいいすぎるので、とりあえず、そのうち何人かを取り上げて紹介します。

 まずはなんといっても、やはりポール=チェンバースです。もう今更僕などがどうこう言う必要もありませんが。僕はこの人のリズムと音色、そしてソロが大好きです。何万回聴いても飽きません。特にソロの完成度がとても高い。すごくわかりやすいソロで、ある意味単純と言えるかもしれませんが、とにかく良く歌っていて、説得力があります。聴いていて嬉しくなってきます。

 ソロの説得力と言えば、エディー=ゴメスもとても好きです。高音域から低音域までものすごい速さで弾きまくれることが注目されがちですが、彼の隅々までコントロールの行き届いたテクニックによる、説得力のある美しいソロは、他のハイテク系ベーシストの遥か上をいっていると思います。ひと昔前の電気的な音色はあまり好きではありませんが、ま、そんなことはどうでもいいくらい凄い人です。特にボウイングは素晴らしいと思います。エディーゴメスのおかげで、ボウイングに興味をもてるようになりました。彼の演奏からは、何か伝わってきます。そういうプレイヤーが好きですね。その点で、ミロスラフ=ヴィトウスも大好きです。

 チャーリー=ヘイデンも大好きで、そうとう影響を受けました。彼はまさにワンアンドオンリーなスタイルを持つ天才のひとりでしょう。学生時代はチャーリー=ヘイデンばかり聴いていたと言っても過言ではありません。オーソドックスなジャズから見るとかなりエキセントリックなプレイスタイルですが、あの音色と、特に音使いがとても感動的です。彼のベースラインにはかなりのショックを受けた覚えがあります。そしてソロもものすごく個性的で、美しい。スイングして気持いいポール=チェンバースとはまた違った感動なのです。美しくて涙が出そうになる感じ。ベースを聴いてそういった感動を受けることは、そう多くはありません。他にはジャコ=パストリアスぐらいでしょうか。

 ジャコ=パストリアスにはそうとうはまりました。彼はポール=チェンバース的なスイングする気持よさと、ヘイデン的な美しさを両方とも兼ね備えています。まさに天才。すばらしすぎて泣けてきます。

 ロン=カーターもよく聴きます。昔20代前半のころは、なぜかあまり好きになれなかったのですが、いまでは大好きなベーシストの一人です。僕は特に彼のウォーキングの時のリズムが好きです。チェンバースとはまたちょっと違う、独特なクールなスイング感があります。ベースラインもかなり工夫していて、勉強になります。僕がリズムで悩んだ時、一番よく聴くのは、チェンバースではなくて、意外にも(?)ロン=カーターなのでした。

 ここ数カ月間レイ=ブラウンをよく聴いています。あのくっきりした硬質かつ美しい音色と、堂々たるスイング感。ソロももちろんすばらしい。どこを取ってみても完璧なテクニック。まさに名人です。ジミー=ロウルズとのデュオのアルバムが最近の僕のお気に入りです。あまりの完成度の高さに驚くというか、打ちのめされるというか。とにかくすばらしい。

 比較的若い世代のベーシストの中で僕が最も好きなのは、ボブ=ハーストです。ウォーキング時のグルーヴ感がとても気に入ってます。力強くて、程よくバウンスしている。(僕はバウンス感のあるベースが好きなようです。)ソロもすごい。指が良く動くのはもちろんですが、そんなことより内容が良いです。難しくて何やってるのか良く解らないことも多いのですが....。とにかくセンスの良さを感じます。品格がありますね。

 レジナルド=ヴィールもとても好きなベースです。僕が思う彼の魅力は「ストレートな力強さ」です。まっすぐ正直な力強さって感じでしょうか。大きなハンマーで杭を打ち込んでいる様な印象も受けます。とにかく力強いです。素朴さも感じます。品格もあります。上に揚げたボブ=ハーストとレジナルド、この2人がこの世代では特に好きです。

 この他にもよく聴く好きなベーシストはたくさんいます。例えば、サム=ジョーンズ、ジミー=ギャリソン、ミルト=ヒントン、パーシー=ヒース、イスラエル=クロスビー、スコット=ラファロ、ゲーリー=ピーコック、etc..... しかし、いちいちコメントするのが、面倒臭くなってきたので、取りあえずこの辺でやめておきます。また気が向いた時に書くかもしれません。


home